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ストップモーション・アニメーションに特化した映像を作り続けているライカ(Laika)について

長編アニメーションを制作しているライカ(Laika)はストップモーションと呼ばれる撮影技術に特化したアニメーションスタジオです。どの作品も素晴らしい映像なのですが、日本では未公開となっている状態が続いています。特に新作『クボ・アンド・ザ・ツー・ストリングス』は日本のカルチャーをテーマにしているにもかかわらず未公開です(泣)。

アニメーションスタジオのライカ(Laika)とは

アメリカ、オレゴン州ポートランドを本拠地とするアニメーションスタジオがライカです。ライカはディズニーやピクサーなどのアニメーションスタジオとは違い、ストップモーション・アニメーションという撮影方法に特化したアニメーションスタジオで、長編アニメーションを制作しています。

スタジオの代表はナイキの創業者フィリップ・ナイトさん

このアニメーションスタジオはナイキを創業したフィリップ・ナイトさんが代表をつとめ、息子のトラヴィス・ナイトさんがCEOをつとめています。世界的なスポーツメーカーの一族がアニメーションスタジオを運営しているとは驚きですね。

前身はウィル・ヴィントン・スタジオ

もともとオレゴン州にはストップモーションに特化したウィル・ヴィントン・スタジオ(Will Vinton Studios)が創業していました。ウィル・ヴィントン・スタジオは90年代に入ると財政的に苦しくなったようで、フィリップ・ナイトさんに出資してもらい、フィリップ・ナイトさんの息子であるトラヴィス・ナイトさんをアニメーターとして雇入れます。その後も財政的に苦しかったためウィル・ヴィントン・スタジオは完全にフィリップ・ナイトさんの会社になり、現在のライカになったようです。

ストップモーション・アニメーションとは

ストップモーション・アニメーションとは歴史のある撮影技術で、CGや機械などが発達していなかった時代に重宝された特撮です。

例えば人形のアニメーションを作る場合、人形を少し動かし、写真を撮ります。また少し動かしては写真を撮る・・・何度もこの作業を繰り返し、撮影された写真を映像としてつなげることで、パラパラ漫画と同じようなアニメーションを作ることができます。

あえてストップモーションを使う理由

撮影に手間暇がかかる上に、熟練したアニメーターも必要な撮影技術のため、現在ではストップモーション・アニメーションを使用する機会が減ってしまいました。しかしストップモーション・アニメーションを使用するとCGやセルアニメとは違った雰囲気の映像表現ができるので、現在ではあえてストップモーション・アニメーションを使用する場合が多いです。特にライカではストップモーション・アニメーションを使用するために最先端のCG技術や機械を導入しているので、かなり特殊な映像表現になっています。

ライカの映像作品

ライカの制作した劇場公開映画は4作品あります。しかし残念ながらザ・ボックストロールズ(日本未公開)』や『クボ・アンド・ザ・ツー・ストリングス(日本未公開)』は日本で公開されていません。

追記:日本未公開の作品についてはアメリカ版(英語)のBlu-rayを見るしか方法がありません。ライカの映画は独自の世界観があるので英語がわかった方がより楽しめるのですが、映像表現はもちろんのこと、背景や小道具のデザインもすばらしいので作品を十分に楽しめると思います。


コララインとボタンの魔女 スタンダード・エディション [DVD]
アメリカ劇場公開 2009年2月6日
日本劇場公開 2010年2月19日


パラノーマン ブライス・ホローの謎 [Blu-ray]
アメリカ劇場公開 2012年8月17日
日本劇場公開 2013年3月29日


BOXTROLLS [Blu-ray](英語)
アメリカ劇場公開 2014年9月26日
日本未公開


Kubo and the Two Strings [Blu-ray](英語)
アメリカ劇場公開 2016年8月19日
日本未公開

ライカの作り出すファンタジー

ライカの映画はモンスターやホラー的なビジュアル要素を入れたファンタジーが特徴です。しかし基本的には子供向のファンタジーとして作られているので、過激なシーンなどは無いように作られています。なので安心して家族で見ることができます。

ライカのストーリー

すべての作品はハッピーエンドになるように作られていますが、大人が見ても十分に楽しめるようなストーリーになっています。特に物語の核となる部分は悲く、同情してしまうような傾向があるので、映画を見た後にもしんみりとする感情が残ります。例えていうなら、昔ながらの童話を読んだ時のような苦さと言ってもいいかもしれません。

日本未公開の理由を考える

どんな問題があってライカの映画が日本公開されていないのかわかりませんが、私が思うところは上記に書いたストーリーに問題があるのだと思います。日本ではしんみりとする感覚が残ったり、昔の童話のような苦さが残る部分があるとウケないのかもしれません。日本では完全なハッピーエンドが求められている気がします・・・。

例えばディズニーの映画『アナと雪の女王』にその傾向を見ることができます。この映画ではエルサがダークサイドに落ちるシーンとして『レット・イット・ゴー』を歌います。しかし日本の訳は「あるがままで」と訳され、完全なポジティブソングにされてしまいました。おかげでストーリーが理解しにくくなったものの、日本でも大ヒット・ソングとなりました。たぶん日本語の翻訳に携わったチームはハッキリと日本人の好みを分析した上での決断だったのだと思います。

魅力的なキャラクターや舞台のデザイン

ライカの映画に登場するキャラクターや舞台などのデザインは、舞台となる国や地域のカルチャーを研究したうえで作られているので、リアルな存在感があります。また忠実に現実を再現するだけではなくファンタジーとしてデフォルメされたいるので、独自のファンタジー世界を作り出していると思います。

ライカのコンセプトアート画集

キャラクターや舞台の制作過程はコンセプトアート画集 (英語版)が出版されているので、そちらで詳しく知ることができます。残念ながら映画『コララインとボタンの魔女』のコンセプトアート画集は出版されていません。


The Art and Making of ParaNorman (英語)
出版社: Chronicle Books
著者: Jed Alger


The Art of The Boxtrolls (英語)
出版社: Chronicle Books
著者: Phil Brotherton


The Art of Kubo and the Two Strings (英語)
出版社: Chronicle Books
著者: Emily Haynes