『SFの書き方』に掲載されていた各課題の参考文献

書籍『SFの書き方』を読んでみたものの、小説を書くような凄いことはできないので、この本に掲載されている参考文献くらいは読んでみようと決意してみました。

書籍『SFの書き方』について

株式会社ゲンロンで開催されている大森望 SF創作講座(第一期)の講義内容をまとめた本が『SFの書き方』です。現在は第二期が開催されています。


SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録
出版社: 早川書房
編集: 大森 望

参考文献のリスト

紙にメモしても無くしてしまうし、PCにメモしても外出先では見られないので、Blogに書き込んでおくのが一番便利だと思い、下記にリストをつくりました。

課題1 『これがSFだ!』という短編を書きなさい


紙の動物園 (ケン・リュウ短篇傑作集1)
出版社: 早川書房
著者: ケン リュウ

課題2 『変な世界』を設定せよ


竜の卵 (ハヤカワ文庫 SF 468)
出版社: 早川書房
著者: ロバート L.フォワード

課題3 『エンタメSF』の設計


未来の二つの顔 (創元SF文庫)
出版社: 東京創元社
著者: ジェイムズ・P・ホーガン

課題4 誰もが知っている物語をSFにしよう


神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
出版社: 早川書房
著者: ジョーゼフ キャンベル、ビル モイヤーズ


千の顔をもつ英雄〔新訳版〕上 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
出版社: 早川書房
著者: ジョーゼフ・キャンベル


千の顔をもつ英雄〔新訳版〕下 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
出版社: 早川書房
著者: ジョーゼフ・キャンベル

課題5 テーマを作って理を通す


美亜へ贈る真珠 〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)
出版社: 早川書房
著者: 梶尾真治


2001夜物語 3 新装版 (双葉文庫 ほ 3-6 名作シリーズ)
出版社: 双葉社
著者: 星野 之宣

課題6 遊べ!理不尽なまでに!


挑戦者たち
出版社: 新潮社
著者: 法月 綸太郎

課題7 謎をとこうとする物語の作成


ソラリス (ハヤカワ文庫SF)
出版社: 早川書房
著者: スタニスワフ・レム

課題8 読者を『おもてなし』してください!

星新一さんの作品すべて、特に初期のショートショート


ねらわれた星 (星新一ショートショートセレクション 1)
出版社: 理論社
著者: 星 真一

課題9 決して相容れないものを並立させよ


都市と都市 (ハヤカワ文庫SF)
出版社: 早川書房
著者: チャイナ・ミエヴィル

ゲンロンで開催されたSF創作講座の全講義をまとめた本『SFの書き方』

株式会社ゲンロンで開催された大森望 SF創作講座の講義録をまとめた本が『SFの書き方』です。SF作家として出版社から本を出したい人を対象にしています。


SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録

SF小説を書かない人も楽しめる

私のように小説を書くような趣味がない人が読んでも楽しめます。普段は知ることができないSF作家の創作方法や、出版業界の話が書いてあるので興味深いです。

課題と講義

『SFの書き方』には講義のまえに提示された課題と、課題に対して受講者が提出したSF小説の梗概が掲載されています。その後に講義内容が掲載されているので、まるで自分が受講しているような感覚で読むことができます。SF小説を書いている人ならば「俺ならこうする!」などとアイディアを考えながら学習できるのではないでしょうか?

ちなみに私も課題をトライしてみましたが、初めてのことなので何も思いつきませんでした(笑)。先ずはSF小説をもっと読まないとダメだなぁ。

提出された課題について

ゲンロンのWebサイトでは受講生が提出した課題や完成させた作品を読むことができます。どの受講者も素晴らしいので、次回の講義に参加したい人は読んでみるといいかもしれません。

魅力的な講師陣

SF創作講座では大森望さんだけでなく、魅力的な講師陣が参加しています。講師によって適切なテーマが設定されているので、学べることが多いと思います。

  • 大森望さん
  • 東浩紀さん
  • 長谷敏司さん
  • 冲方丁さん
  • 藤井太洋さん
  • 宮内悠介さん
  • 法月綸太郎さん
  • 新井素子さん
  • 円城塔さん
  • 小川一水さん
  • 山田正紀さん

付録 SF作家になる方法

『SFの書き方』には講義だけでなく、大森望さんのアドバイスが付録として掲載されています。これからSF作家を目指す人は、SFの新人賞に応募するだけでなく、SNSやネットを使った活動など、積極的に動く必要があるようです。


SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録
出版社: 早川書房
編集: 大森 望

フランケンシュタインからアバターにわたるSFを解説した書籍『SF大クロニクル』

書籍『SF大クロニクル』は小説、漫画、映画、アニメ、ゲームなどのSF作品を年代順に解説している書籍です。500ページ以上にわたって作品が紹介されているので、かなり満足できる年代記になっていると思います。

書籍『SF大クロニクル』

SFの起源となった小説フランケンシュタインから映画アバターまで、SFにとって重要な作品と人物がまとめられています。これからSF作品を楽しもうと思っている人にとっては便利なガイドになるでしょう。

またマーベルやDCコミックに登場するスーパーヒーローもたくさん掲載されているのでアメコミ好きの人も楽しめると思います。


SF大クロニクル

年代順にSF作品を掲載

書籍『SF大クロニクル』は年代記なのでSFの歴史がよくわかります。最初から順番通りに読むことで、名作と呼ばれる作品が他の作家や作品に影響を与えていることが実感できます。

メディア展開のデータ

この書籍の面白いところは、SF作品が他のメディアに展開したデータを網羅しているところです。例えば小説が映画化されたり、ゲーム化されたりしたデータが年表と写真で掲載されています。

見るべき作品を選別するのに役立つ

この書籍に掲載されている作品はSFの歴史として重要な作品を掲載しています。しかし、すべての作品を絶賛しているわけではありません(笑)。評判が悪い作品があればきちんと指摘しています。

例えば小説を映画化したものの改悪してしまったケースや、TVシリーズのファーストシーズンはよかったが、それ以降はダメになってしまったケースなど、さまざまな解説が書いてあります。TVシリーズは見るのに時間がかかりますから、作品を事前に選別できるので非常に助かります(笑)。

日本のSF作品が世界に与えた影響

書籍『SF大クロニクル』はイギリスで出版されたものなのでイギリスとアメリカのSF作品が多く掲載さてていますが、日本のSF作品もかなりの数が掲載されています。日本のSF作品が世界に影響を与えてたことがよくわかります。

下記は掲載されている日本の作品のリストです。

  • 円谷英二
  • 鉄腕アトム
  • ゴジラ
  • 時をかける少女
  • ガッチャマン
  • 宇宙戦艦ヤマト
  • 風の谷のナウシカ
  • 攻殻機動隊
  • 新世紀エヴァンゲリオン
  • バイオハザード
  • 20世紀少年
  • スチームボーイ

上記以外にもロバート・ハインラインの『スターシップ・トゥルーパーズ』の項目では『機動戦士ガンダム』の名前も出てきます。

巻末

巻末にはSFに登場してくる宇宙船のサイズをシルエットで比較した図や、各SF作品のストーリーがどの時代で展開しているのかわかる年表が掲載されています。


SF大クロニクル
出版社: KADOKAWA
編集: ガイ・ヘイリー
日本語版監修: 北島明弘

スタニスワフ・レムの『泰平ヨンの未来学会議』を読む

2013年に映画化された『コングレス未来学会議』の原作『泰平ヨンの未来学会議』を読みました。作者は『ソラリス』『砂漠の惑星』などを書いたSF小説家のスタニスワフ・レムさんです。今回読んだ『泰平ヨンの未来学会議』は2015年5月25日に発行された大野典宏さんによる改訳版です。

泰平ヨンの未来学会議〔改訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)

想像もしなかったようなハプニングが次々に起こるストーリー

この小説の特徴は想像もしなかったようなハプニングが次々に起こるストーリーです。各々のハプニングにはスタニスワフ・レムの未来に対するアイディアが詰め込まれています。最初から最後まで読むと彼の豊富な想像力に圧倒されてしまうでしょう。泰平ヨンに起こるハプニングや未来の設定などはまるで遊園地のアトラクションのように楽しめるので、ぜひ読んでみることおすすめします。

現実の世界も魅力的

この小説は反乱の鎮圧のために軍が投下した爆弾の幻覚薬を吸い込んでしまったことから幻覚の世界を体験するパートがメインストーリーです。しかし泰平ヨンが第8回世界未来学会議のために宿泊するコスタリカのヒルトンホテルでの体験と現実世界も異常な状態になっているので面白いです。ホテルの中と反乱の設定だけでも別のストーリーが作れてしまうくらい魅力的な世界観をスタニスワフ・レムさんは作り出しています。

幻覚による突然の場面展開

泰平ヨンが幻覚を見ているときに突然場面が変化する部分があります。何の前触れもなく文章が続いていくので主人公だけでなく読者も「アレ?・・・何が起こってるの?」と思って気が付く仕掛けになっています。この感覚は泰平ヨンに自分が乗り移ってしまったようで不思議な感覚であり、スタニスワフ・レムの仕掛けに騙された感じで楽しいです。

ユートピアのような未来

さまざまなハプニングによりユートピアのような未来にたどりついた泰平ヨンですが、彼が体験する未来の設定もアイディアにあふれています。また泰平ヨンが未来に適応しようと学習をすればするほどユートピアのような未来に疑念を持つ展開になるストーリーも面白いです。

映画『コングレス未来学会議』も楽しみ

残念ながら見逃してしまいましたが、映画『コングレス未来学会議』のDVD化が楽しみです。訳者である大野典宏さんの『あとがき』を読むと、映画版は小説とは全く違うストーリーながらもスタニスワフ・レムの主張を描ききっていると評しています。また映画批評などでも高評価だったのでぜひチェックしたいと思います。

『コングレス未来学会議』劇場予告編