映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のプロダクション・デザイナーであるダグ・チャンさんが、偉大なコンセプトアーティストであるラルフ・マッカリーさんについて語っています。
ダグ・チャンさんのインタビュー
スター・ウォーズ・ショーにダグ・チャンさんが登場し、ご自身のキャリアについて語っています(動画のタイムコード3:18から)。フリーランスで活動していた時にILMでの3週間のプロジェクトに参加したのがきっかけだったそうです。その後ダグ・チャンさんは13年働き、一度退社をしてから再び映画『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』でコンセプトアートとしてILMで働いています。
Battlefront VR News, The Force Awakens Commentary Preview, and Doug Chiang | The Star Wars Show
ラルフ・マッカリーさんのコンセプトアートについて
ラルフ・マッカリーさんの元で7年間も働いたダグ・チャンさんが、ラルフ・マッカリーさんのコンセプトアートについて語っています。(下記は翻訳ではなく大雑把なまとめ)
ジョージ・ルーカスのイメージとシンクロしたデザイン
ラルフ・マッカリーさんが鉛筆で描いたシンプルなドローイングは映像として見たくなるような感覚を与えると共に、ジョージ・ルーカスのイメージとシンクロしたデザインだったそうです。またラルフ・マッカリーさんのコンセプトアートは映像的に構成して描かれているところが他のコンセプトアーティストと違ったと言っています。
ラルフ・マッカリーさんから学んだ最も重要なこと
ダグ・チャンさんがラルフ・マッカリーさんから学んだ最も重要なことは、スターウォーズのようなリアリティを求められる映画では、カメラの視点で描くことによって観客がどのような経験ができるのかをデザインすることが重要だということだそうです。最終的な細部のデザインや色などは描いて無くても問題なく、必要な細部は各部署でデザインを改良してもらうそうです。
補足:細部のデザインまで決定しない理由
ちなみに2004年に開催された『スター・ウォーズ サイエンス・アンド・アート展』のカタログを読むと、『ファントム・メナス』のコンセプトアート段階で衣装デザインを細かく設定しすぎたために、現場が混乱したことが書かれていました。コンセプトアートはあくまでもデザインの方向性を決めるものであって、現実的なデザインは各部署で改良するようにしないと上手く制作ができないようです。
スター・ウォーズのコンセプトアート画集
Star Wars Art: Ralph Mcquarrie(英語)
ラルフ・マッカリーさんの手掛けたスター・ウォーズのコンセプトアート画集『Star Wars Art: Ralph McQuarrie(英語)』が発売されています。ハードカバー2冊セットの超豪華版です。
Star Wars Art スター・ウォーズ アートシリーズ: コンセプト
日本語に翻訳されたスターウォーズの画集が『Star Wars Art スター・ウォーズ アートシリーズ: コンセプト』です。こちらは入手しやすいお値段です。
アート・オブ・ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー
2016年12月16日に公開予定の映画『ローグ・ワン/スター・ウォーズ・ストーリー』のコンセプトアート画集が発売予定されています。記事で取り上げたダグ・チャンさんがプロダクション・デザイナーとしてコンセプトアートの制作に参加しています。
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