『SFの書き方』に掲載されていた各課題の参考文献

書籍『SFの書き方』を読んでみたものの、小説を書くような凄いことはできないので、この本に掲載されている参考文献くらいは読んでみようと決意してみました。

書籍『SFの書き方』について

株式会社ゲンロンで開催されている大森望 SF創作講座(第一期)の講義内容をまとめた本が『SFの書き方』です。現在は第二期が開催されています。


SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録
出版社: 早川書房
編集: 大森 望

参考文献のリスト

紙にメモしても無くしてしまうし、PCにメモしても外出先では見られないので、Blogに書き込んでおくのが一番便利だと思い、下記にリストをつくりました。

課題1 『これがSFだ!』という短編を書きなさい


紙の動物園 (ケン・リュウ短篇傑作集1)
出版社: 早川書房
著者: ケン リュウ

課題2 『変な世界』を設定せよ


竜の卵 (ハヤカワ文庫 SF 468)
出版社: 早川書房
著者: ロバート L.フォワード

課題3 『エンタメSF』の設計


未来の二つの顔 (創元SF文庫)
出版社: 東京創元社
著者: ジェイムズ・P・ホーガン

課題4 誰もが知っている物語をSFにしよう


神話の力 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
出版社: 早川書房
著者: ジョーゼフ キャンベル、ビル モイヤーズ


千の顔をもつ英雄〔新訳版〕上 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
出版社: 早川書房
著者: ジョーゼフ・キャンベル


千の顔をもつ英雄〔新訳版〕下 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
出版社: 早川書房
著者: ジョーゼフ・キャンベル

課題5 テーマを作って理を通す


美亜へ贈る真珠 〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA)
出版社: 早川書房
著者: 梶尾真治


2001夜物語 3 新装版 (双葉文庫 ほ 3-6 名作シリーズ)
出版社: 双葉社
著者: 星野 之宣

課題6 遊べ!理不尽なまでに!


挑戦者たち
出版社: 新潮社
著者: 法月 綸太郎

課題7 謎をとこうとする物語の作成


ソラリス (ハヤカワ文庫SF)
出版社: 早川書房
著者: スタニスワフ・レム

課題8 読者を『おもてなし』してください!

星新一さんの作品すべて、特に初期のショートショート


ねらわれた星 (星新一ショートショートセレクション 1)
出版社: 理論社
著者: 星 真一

課題9 決して相容れないものを並立させよ


都市と都市 (ハヤカワ文庫SF)
出版社: 早川書房
著者: チャイナ・ミエヴィル

ゲンロンで開催されたSF創作講座の全講義をまとめた本『SFの書き方』

株式会社ゲンロンで開催された大森望 SF創作講座の講義録をまとめた本が『SFの書き方』です。SF作家として出版社から本を出したい人を対象にしています。


SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録

SF小説を書かない人も楽しめる

私のように小説を書くような趣味がない人が読んでも楽しめます。普段は知ることができないSF作家の創作方法や、出版業界の話が書いてあるので興味深いです。

課題と講義

『SFの書き方』には講義のまえに提示された課題と、課題に対して受講者が提出したSF小説の梗概が掲載されています。その後に講義内容が掲載されているので、まるで自分が受講しているような感覚で読むことができます。SF小説を書いている人ならば「俺ならこうする!」などとアイディアを考えながら学習できるのではないでしょうか?

ちなみに私も課題をトライしてみましたが、初めてのことなので何も思いつきませんでした(笑)。先ずはSF小説をもっと読まないとダメだなぁ。

提出された課題について

ゲンロンのWebサイトでは受講生が提出した課題や完成させた作品を読むことができます。どの受講者も素晴らしいので、次回の講義に参加したい人は読んでみるといいかもしれません。

魅力的な講師陣

SF創作講座では大森望さんだけでなく、魅力的な講師陣が参加しています。講師によって適切なテーマが設定されているので、学べることが多いと思います。

  • 大森望さん
  • 東浩紀さん
  • 長谷敏司さん
  • 冲方丁さん
  • 藤井太洋さん
  • 宮内悠介さん
  • 法月綸太郎さん
  • 新井素子さん
  • 円城塔さん
  • 小川一水さん
  • 山田正紀さん

付録 SF作家になる方法

『SFの書き方』には講義だけでなく、大森望さんのアドバイスが付録として掲載されています。これからSF作家を目指す人は、SFの新人賞に応募するだけでなく、SNSやネットを使った活動など、積極的に動く必要があるようです。


SFの書き方 「ゲンロン 大森望 SF創作講座」全記録
出版社: 早川書房
編集: 大森 望

儲かっているのはディズニーランドだけではない!USJのマーケティング本『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』

集客力が落ちていたユニバーサルスタジオ・ジャパンの業績をV字回復させたマーケターである森岡 毅さんの著書『USJを劇的に変えた、たった1つの考え方』は、ユニバーサルスタジオ・ジャパンの事例に照らし合わせながら、マーケティングの基礎を解説した入門書です。


USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門

わかりやすい解説と事例

高校生になる森岡さんの娘さんでも理解できるように書かれた本なので、ビジネスの知識がない私が読んでも理解ができました。特にマーケティングの概念を解説だけでなく、ユニバーサルスタジオ・ジャパンでの事例が書いてあるので、その効果を実感しやすいです。なのでこの本を読んでいるとユニバーサルスタジオ・ジャパンに行きたくなります(笑)。

不祥事が集客減の原因ではなかった!

2004年に破綻寸前の状況まで陥った原因は『度重なった不祥事』のせいだと思われていましたが、マーケティングの分析によると『度重なった不祥事』が原因ではなかったそうです。原因はなんとユニバーサルスタジオ・ジャパンは客離れがはじまったことにより、『不祥事』が次々と発生していったのが真相だそうです。なので『度重なった不祥事』の印象を消そうといくら努力をしても、間違った努力をしても業績は回復しないわけです(笑)。

『映画のテーマパーク』をやめる

ユニバーサルスタジオ・ジャパンが『映画のテーマパーク』をやめた理由が書かれています。「そもそも映画を見ている人が少ない」というマーケティングのデータから「映画」にこだわってテーマパークを運営しても客が来ないことがわかったそうです。そこでユニバーサルスタジオ・ジャパンは『映画のテーマパーク』から『エンターテイメントのセレクトショップ』へと変化しなければならなかったそうです。

日本でマーケティングが発達しなかった理由

企業でマーケティングを担当している人が読むと耳が痛くなってしまうことも書かれています(笑)。日本の技術志向、規制による競争阻害、終身雇用制などが日本でマーケティングが発達しなかった理由として挙げられています。たしかにマーケーターがいくら頑張っても、会社の中で資料が積み上げられているだけだったら機能していないも同然ですね・・・。

マーケディング・フレームワーク

実際にマーケティングを使えるようになるための重要なパートが『マーケディング・フレームワーク」に関するチャプターです。5C分析、戦略的ターゲット、コアターゲット、マーケティング・ミックスなどの概念を学べます・・・専門用語を並べると難しそうに聞こえますが、この本の解説を読めば簡単に理解できます。

特に戦略的ブランド・エクイティの解説は秀逸で、難しい概念を『フェラーリを購入する人』と『ディズニーランドへ行く女性』の心理を使ってわかりやすく説明しています・・・私としては女性の心理がやっと理解できたのでよかった(笑)。

マーケターになりたい人へのアドバイス

大学生向けのアドバイスとして、企業のマーケターになるためのアドバイスが書かれています。また、『向き、不向き』をチェックできるリストもあるので活用してみるといいでしょう。ちなみに私は全ての項目が当てはまらないという結果でした(笑)。

森岡 毅さんのマーケティング入門書

P&Gでマーケディングを学び、USJの復活で注目のマーケターとなった森岡 毅さんの著書。


USJを劇的に変えた、たった1つの考え方 成功を引き寄せるマーケティング入門
出版社: KADOKAWA
著者: 森岡 毅


USJのジェットコースターはなぜ後ろ向きに走ったのか? (角川文庫)
出版社: KADOKAWA
著者: 森岡 毅


確率思考の戦略論 USJでも実証された数学マーケティングの力
出版社: KADOKAWA
著者: 森岡 毅

映画の主人公になったつもりで妄想できる書籍『映画の間取り』

書籍『映画の間取り』は、映画の中に登場する魅力的な建物の図面を見ながら妄想して楽しめる本です(笑)。例えば『ローマの休日』に出演したグレゴリー・ペックになった気分でアパートの平面図を見ると、「恋する気持ちと永遠の別れ」を堪能できるかもしれません(笑)。

書籍『映画の間取り』について

『華麗なるギャツビー』に出てきた豪邸から『ALWAYS 3丁目の夕日』に出てきた店舗兼住宅まで、さまざまな映画の建物を図面化したのが書籍『映画の間取り』です。DVDで映像を確認しながら図面を眺めると、建物の空間構成をより理解できると思います。

映画の間取り

建物の間取り

建物の間取りを理解できるように平面図とパース図が掲載されています。建物のどこでなにが起こったのか注釈が図面に書かれているので、映画のワンシーンを思い出させてくれます。

建物の解説

この本の解説文は『架空の不動産屋さん』のセールストークの体裁で書かれています。『ALWAYS 3丁目の夕日』や『呪怨」のように問題がある物件であっても、ポジティブなセールストークで解説してくれるので笑えます。

映画の情報

パース図のページにその建物が登場した映画の情報が書かれています。実在する建物の情報も書かれているので現地を訪れてみたい人には役に立つかも?

掲載されている建物

この本では全部で40の建物が4章に分かれて掲載されています。下記に掲載されているいくつかの建物をリストしておきます。

第1章: 一般住宅 (全17物件)
ローマの休日 / ジョーブラッドレイの部屋
キック・アス / ビッグ・ダディのセーフ・ハウス
ALWAYS 三丁目の夕日 / 有限会社鈴木オート
ティファニーで朝食を / ホリー・ゴライトリーの部屋
スティーブ・ジョブズ / スティーブ・ジョブズ邸

第2章: 邸宅・お城 (全9物件)
アイアンマン3 / トニー・スターク邸
007 スカイフォール / スカイフォール
華麗なるギャツビー / ジェイ・ギャツビーの寝室

第3章: オフィス・店舗・ホテル (全8物件)
シャイニング / オーバールック・ホテル
オリエント急行殺人事件 / ラチェットの個室
カサブランカ / リックの店

第4章: 特殊物件・アジト (全6物件)
キングスマン / 高級テーラー「キングスマン」
マトリックス / ホバークラフト“ネブカドネザル”号
ダークナイトライジング / バットバンカー

上記に挙げた建物の他にも魅力的な物件が満載です。

映画の間取り
出版社: 扶桑社
著者: WOWOW「映画の間取り」編集部

映画のルールを知ることで映画をもっと楽しめる書籍『ハリウッド白熱教室』

NHKで放送されたテレビ番組『ハリウッド白熱教室』を書籍化した本を読みました。映画の基礎的なルールを知ることで、表現の意図をもっと理解し、楽しめるようになる本です。

ドリュー・キャスパー教授の講義「映画論入門」

書籍『ハリウッド白熱教室』はアメリカの名門大学、南カリフォルニア大学(USC)のドリュー・キャスパー教授の特別講義(講義「映画論入門」のショートバージョン)をテープ起こししたものです。なのでドリュー・キャスパー教授と生徒たちの会話形式で構成されています。日本の授業のように堅苦しくなく、教え方も上手いので映画マニアでなくても読める本になっています。またアメリカの大学の雰囲気が伝わってくるので、読んでいて楽しい気分になってきます。


ハリウッド白熱教室

5つのテーマから映画を読み解く

ドリュー・キャスパー教授の特別講義は5回に分けられ、脚本、ビジュアルデザイン、撮影、編集、音響効果と5つのテーマ別に講義が開催されます。これらの講義は映画制作での基本的ルールや技法について解説していますが、教授がやさしく解説してくれるうえに図や写真も掲載されているので、映画制作の知識が無くても理解できると思います。

ただし「チャプター4: 編集」では「映画は視覚的体験をどのようにコントロールしているのか」について語っているので、参考資料として使われたを見ておいた方が理解しやすいでしょう。難しい講義ではありませんが、視覚的に体験することが一番重要だと思われます。

参考資料として使われた映画

講義ではそれぞれのテーマを理解しやすいように、参考資料として下記の映画を使用しています。

チャプター1: 脚本

  • いつも2人で
  • サンセット大通り
  • ショーシャンクの空に

チャプター2: ビジュアルデザイン

  • カサブランカ
  • 若草の頃
  • マイレージ、マイライフ

チャプター3: 撮影

  • 陽のあたる場所
  • ワイルドバンチ

チャプター4: 編集

  • ファーゴ
  • チャイナタウン
  • フレンチ・コネクション
  • ゴッドファーザー

チャプター5: 音響効果

  • サウンド・オブ・ミュージック
  • ティファニーで朝食を
  • 知りすぎていた男
  • ジョーズ

巻末の脚註

巻末には講義の中で話題に上がった他の作品や俳優、映画監督についての情報が掲載されているので、今後の映画鑑賞に役立つと思います。また教授の記憶違いなどの訂正も書かれており、NHKの制作班がちゃんと検証してから書籍化をしていることがうかがえます。

南カリフォルニア大学(USC)の映画学科について

ハリウッドの映画界に多くの卒業生を送り出してきたのが南カリフォルニア大学(USC)の映画学科です。映画製作を目指す学生ならば憧れの大学でもあるのですが、実際はなかなか目指すことができません。なぜならなぜならアメリカの私立大学の学費は非常に高く、特に南カリフォルニア大学(USC)は裕福な家庭の子供が行く大学としても有名です。

本で受講できてしまうのはラッキー!

昔なら「借金してでも・・・」と考えることもできましたが、アメリカの大学の授業料は年々増加する傾向にあり、私立大学を卒業するまでにかかる学費は2千万円以上と言われています(2千万円では全然足らないと言う私立大学の卒業生もいますが・・・)。なのでドリュー・キャスパー教授の講義が1,600円の本で読めてしまうのは非常にラッキーとしか言いようがありません・・・この授業に主席している学生はいくら払っているんだろう???(笑)。

最後に私が南カリフォルニア大学(USC)の映画学科を訪れた時の記事と写真をこちらにリンクしておきます。あまりにも素敵なキャンパスに驚くこと間違いなしです(笑)。


ハリウッド白熱教室

出版社: 大和書房
著者: ドリュー・キャスパー、NHK「ハリウッド白熱教室」制作班

映画に登場した本や台詞から映画を読み解く町山 智浩さんの書籍『映画と本の意外な関係!』

TBSラジオ「たまむすび」アメリカ流れ者のコーナーで映画の解説をしている町山 智浩さんの書籍『映画と本の意外な関係!』を読みました。ところどころラジオで解説された内容もありますが、ラジオよりもさらに詳しく解説されています。

さまざまな映画と本が紹介

『映画と本の意外な関係!』は、まえがき~第22章までにわたり、さまざまな映画と本の関係が解説されています。各章の文章量は多くないので簡単に読めますが、紹介されている映画と本の数はかなりの数になります。映画をもっと深く楽しみたい人におすすめの書籍です。


映画と本の意外な関係! (インターナショナル新書)

タイトルについて

この書籍では映画に登場した本や、映画に影響を与えた本について書かれていますが・・・読み進めると本と全く関係しない章もあります(笑)。どうやらこの書籍は町山智浩さんが雑誌『kotoba』に連載している「映画の台詞」に関するコラムを集めたものだそうです。

なので本来は『映画と台詞の意外な関係!』とタイトルされるべきところを、あえて『本』としているようです。よく考えてみたらタイトルを『映画と台詞の意外な関係!』としてしまったら売れなかったかもしれませんね・・・なぜなら映画にとって台詞は必須の関係ですから(笑)。

本と関係しない映画解説も重要

映画『メイド・オブ・オナー』『ニーナ・シモン 魂の歌』『ラブ・アンド・マーシー 終わらないメロディー』などの章では本と関係した内容ではありません。しかしアメリカの政治や文化を理解していないとわからない背景について解説されています。

特にトランプ政権となった現在では『007』の下ネタを解説した章は教養としての重要性を増しています(笑)。プッシーやゴールデンフィンガーをもじったゴールデン・シャワーなどの表現は全世界のメディアを騒がしたばかりですから・・・。

掲載された映画のリスト

この本に登場するすべての作品をリストにすると大変な量になってしまうので、各章で取り上げられているメインの映画について下記にまとめてみました。

映画の本棚―まえがきにかえて
『渇き。』
『アンブリン』
『イット・フォローズ』
『インターステラー』
『ザ・ロイヤル・テネンバウムズ』
『グランド・ブタペスト・ホテル』
『ベルリン・天使の詩』

第1章
『インセプション』
『ポセイドン・アドベンチャー』
『寝取られ男のラブ・バカンス』
『世にも奇妙な物語』

第2章
『ウォール・ストリート』

第3章
『トゥルー・グリット』

第4章
『ミッドナイト・イン・パリ』

第5章
『スーパー・チューズデー』

第6章
『メイド・オブ・オナー』

第7章
『ファミリー・ツリー』

第8章
『恋人たちの予感』

第9章
『007 スカイフォール』

第10章
『リンカーン』

第11章
『ソウルガールズ』

第12章
『サ・イースト』

第13章
『恋人までの距離 (原題:ビフォア・サンライズ)』
『ビフォア・サンセット』
『ビフォア・ミッドナイト』

第14章
『あなたを抱きしめる日まで』

第15章
『物語る私たち』

第16章
『ゴーン・ガール』

第17章
『バードマン』

第18章
『ニーナ・シモン 魂の歌』

第19章
『ラブ・アンド・マーシー 終わらないメロディー』

第20章
『キャロル』

第21章
『ブルックリン』

第22章
『眼下の敵』
『デンジャラス・マインド』
『いまを生きる』
『きみに読む物語』
『さよならゲーム』
『ソフィーの選択』

難しそうな小説や詩が掲載されているが・・・

『映画と本の意外な関係!』ではさまざまな映画のテーマを扱っているので、アーサー・C・クラーク、シュテファン・ツヴァイク、アーネスト・ヘミングウェイなどの作家から、ディラン・トマス、ウオルト・ホイットマン、エミリーディキンソンなどの詩人まで、さまざまな作家の名前が掲載されています。一見すると難しそうな小説や詩ばかり紹介しているなぁと思えますが、町山智浩さんが解説を書くと興味がわいてくるから不思議です。

ちなみに恋愛映画や哲学的な問いとしての愛に興味すらない私が、第17章に掲載してあるレイモンド・カーヴァ―の詩『最後の断章』に共感してしまいました。たぶん第13章『ビフォア・ミッドナイト』から第16章『ゴーン・ガール』の章までに愛について考えさせられる映画が紹介されたうえで、最後にレイモンド・カーヴァ―の詩を読まされたからだと思います。第13章『恋人までの距離 (原題:ビフォア・サンライズ)』で愛について語りあう男女の描写を読んだときには「くだらない会話だなぁー」と思っていはずなのに・・・(笑)。本当によくできた本だと思いました。


映画と本の意外な関係! (インターナショナル新書)
出版社: 集英社インターナショナル
著者: 町山 智浩

フランケンシュタインからアバターにわたるSFを解説した書籍『SF大クロニクル』

書籍『SF大クロニクル』は小説、漫画、映画、アニメ、ゲームなどのSF作品を年代順に解説している書籍です。500ページ以上にわたって作品が紹介されているので、かなり満足できる年代記になっていると思います。

書籍『SF大クロニクル』

SFの起源となった小説フランケンシュタインから映画アバターまで、SFにとって重要な作品と人物がまとめられています。これからSF作品を楽しもうと思っている人にとっては便利なガイドになるでしょう。

またマーベルやDCコミックに登場するスーパーヒーローもたくさん掲載されているのでアメコミ好きの人も楽しめると思います。


SF大クロニクル

年代順にSF作品を掲載

書籍『SF大クロニクル』は年代記なのでSFの歴史がよくわかります。最初から順番通りに読むことで、名作と呼ばれる作品が他の作家や作品に影響を与えていることが実感できます。

メディア展開のデータ

この書籍の面白いところは、SF作品が他のメディアに展開したデータを網羅しているところです。例えば小説が映画化されたり、ゲーム化されたりしたデータが年表と写真で掲載されています。

見るべき作品を選別するのに役立つ

この書籍に掲載されている作品はSFの歴史として重要な作品を掲載しています。しかし、すべての作品を絶賛しているわけではありません(笑)。評判が悪い作品があればきちんと指摘しています。

例えば小説を映画化したものの改悪してしまったケースや、TVシリーズのファーストシーズンはよかったが、それ以降はダメになってしまったケースなど、さまざまな解説が書いてあります。TVシリーズは見るのに時間がかかりますから、作品を事前に選別できるので非常に助かります(笑)。

日本のSF作品が世界に与えた影響

書籍『SF大クロニクル』はイギリスで出版されたものなのでイギリスとアメリカのSF作品が多く掲載さてていますが、日本のSF作品もかなりの数が掲載されています。日本のSF作品が世界に影響を与えてたことがよくわかります。

下記は掲載されている日本の作品のリストです。

  • 円谷英二
  • 鉄腕アトム
  • ゴジラ
  • 時をかける少女
  • ガッチャマン
  • 宇宙戦艦ヤマト
  • 風の谷のナウシカ
  • 攻殻機動隊
  • 新世紀エヴァンゲリオン
  • バイオハザード
  • 20世紀少年
  • スチームボーイ

上記以外にもロバート・ハインラインの『スターシップ・トゥルーパーズ』の項目では『機動戦士ガンダム』の名前も出てきます。

巻末

巻末にはSFに登場してくる宇宙船のサイズをシルエットで比較した図や、各SF作品のストーリーがどの時代で展開しているのかわかる年表が掲載されています。


SF大クロニクル
出版社: KADOKAWA
編集: ガイ・ヘイリー
日本語版監修: 北島明弘

ディズニーのアニメや実写版映画とは全く違う『ジャングル・ブック』の原作小説

ディズニーの実写映画『ジャングル・ブック』が大変面白かったので、ラドヤード・キプリングが書いた原作小説を読んでみました。原作を読んで驚いたのは映画とは全く違うストーリーだということです。しかも小説の方がアクションシーンが多いので、大人も子供も楽しめるストーリーになっています。

岩波少年文庫のジャングル・ブック

ディズニーの実写版映画『ジャングル・ブック』が劇場公開されたので、現在はさまざまな出版社から『ジャングル・ブック』の小説が翻訳されています。私が読んだのは岩波書店から出版されている三辺 律子さんの翻訳本です。読みやすい表現で翻訳されているので違和感なく読むことができました。

ジャングル・ブック (岩波少年文庫)
出版社: 岩波書店
著者: ラドヤード・キプリング
翻訳: 三辺 律子

短編小説を集めた形式

原作小説は短編が集まった形式なので時間軸がバラバラに展開します。なので各章を読みはじめる時に一瞬だけ戸惑うかもしれません。しかしどのストーリーも展開が早いのですぐに物語の魅力に引き込まれると思います。

ただし残念なことに岩波少年文庫のジャングル・ブックではモウグリが登場する8編のみの掲載になります。モウグリが登場しない残り7編は掲載されていません。

アニメ、実写映画とは全くストーリーが違う

原作小説のジャングル・ブックはアニメや映画とは全く違うストーリーになっています。特にアニメで表現されていたようなほのぼのとした雰囲気ではなく、原作小説ではジャングルで生き抜くための戦いが常につきまとってきます。その結果、アニメや映画などよりもジャングル・ブックの社会がどのように構成されているのか理解しやすくなっていると思います。

無駄に殺生をしているわけでは無い

ディズニーのアニメや実写版映画と比べると原作小説の方が「血生臭いシーンが多いなぁ」と感じると思います。しかしジャングルには掟があり、無駄な殺生をしているわけではありません。厳しいジャングルで生き抜くことの難しさや、命の尊さなどを効果的に表現していると思います。

また無駄な殺生を楽しんでいるシア・カーンや人間などは敵として描かれ、避けられない戦いとなっていくところなどは映画版に負けないくらい魅力的なアクションシーンになっています。

子供のキャラクターは純粋無垢な存在ではない

日本人の傾向としてありがちな「子供のキャラクターを純粋無垢な存在」と認識してしまったり、ディズニーアニメの作り出した主人公モウグリの印象を持ってジャングル・ブックを読みはじめると、モウグリの設定に多少戸惑ってしまうと思います。

原作小説ではモウグリの子供時代から思春期までの成長過程を描いているので、モウグリのキャラクターは常に変化し、それと共にストーリーがエンディングへ向かっていく設定になっています。なのでモウグリが成長するにしたがって彼の行動や発言に好感が持てない箇所もあるかもしれませんが、「主人公の好感度」と「小説の完成度」は別物だと思って評価したほうがいいでしょう。

その他のジャングルブックの翻訳本

ディズニーの実写版映画の劇場公開に合わせて原作小説の翻訳本がさまざまな出版社から発売されています。

ジャングル・ブック (新潮文庫)


出版社: 新潮社
著者: ラドヤード・キプリング
翻訳: 田口 俊樹

新訳 ジャングル・ブック (角川つばさ文庫)


出版社: KADOKAWA/角川書店
著者: ラドヤード・キプリング
翻訳: 山田 蘭

ジャングル・ブック (文春文庫)


出版社: 文藝春秋
著者: ラドヤード・キプリング
翻訳: 金原 瑞人、井上 里

ディズニーのアニメと実写版映画もおすすめ

原作とは全く違うストーリーになっているディズニーのジャングル・ブックですが、どちらも素晴らしい作品なのでおすすめです。アニメ版はシャーマン兄弟によるミュージカルが見どころですし、実写版映画はリアルなジャングルの風景をCGで作り出しているので映像に迫力があります。

ちなみにディズニーはジャングル・ブック 2も制作していますがこちらも全く違うストーリーになっています。ただし・・・原作小説を読んだ後にこの強いアニメを見ると恐ろしいエンディングにしか感じられません(笑)。

ディズニーアニメ版 『ジャングル・ブック』

ディズニー実写版 『ジャングル・ブック』

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ズートピアのスピンオフ作品 子供向けの小説『The Stinky Cheese Caper(英語) 』

ニックが警察官となった後にジュディとコンビを組んで事件を解決するストーリーが、子供向けの小説となって出版されています。ただし現在のところ英語版での出版になります。

ズートピアのスピンオフ作品

現在さまざまなズートピアの本が出版されていますが、その中でも異色な本が『The Stinky Cheese Caper』です。

ズートピアとなっていますが、全く違う雰囲気の本になっています。描かれているキャラクターたちのイラストは全然違うし、映画のなかでは出てこなかったチーズに関わる事件がメインのストーリーです。最初はまがい物かと思っていましたが、どうやらこの本はスピンオフ作品のようです(笑)。この絵本を元にズートピアの短編をアニメ化してほしいですね。


The Stinky Cheese Caper (And Other Cases from the ZPD Files) (Disney Zootopia) (Disney Chapters)

追記:日本語版『盗まれたくさ~いチーズの謎 』

講談社から日本語訳が出版予定(2016年9月29日)されています。


ジュディとニックのズートピア警察署事件簿 盗まれたくさ~いチーズの謎 (講談社KK文庫)

イラストはズートピアのコンセプトアーティストを手掛けたCory Loftisさん

本の表紙に使用されているイラストはアニメとは全く違うスタイルで描かれたものです。しかし、このイラストを描いているのはスートピアのコンセプトアートを手掛けたCory Loftisさんのようです。

ズートピアのコンセプトアーティスト画集『The Art of Zootopia (英語)』に掲載されている作品を見ても、このようなスタイルで描かれたイラストは無いので、この本のために描かれたオリジナルなのでしょうか?

Chez Cheese(チーズバーガー屋)とWild Time(遊園地)

この小説では、映画で使用されなかったChez CheeseとWild Timeなどの場所が登場します。これらの場所は映画のコンセプト段階ですでに計画されていたアイディアなのですが、残念ながら映画では完全に削除されてしまいました。

ズートピアのコンセプトアート画集『The Art of Zootopia (英語)』を見ると、Chez Cheeseとはネズミが経営するチーズバーガー屋さん、Wild Timeとは遊園地として掲載されています。どちらの場所もかなり細かいところまでデザインが出来上がっているので、ショートストーリーとしてかなり完成していたのではないでしょうか?


The Art of Zootopia(英語)

追記:日本語版『ジ・アート・オブ ズートピア』の出版が決定!

株式会社CLASSIX MEDIAから日本語版での出版がアナウンスされました。出版社が徳間書店、発売日は2016年6月21日となるようです。


ジ・アート・オブ ズートピア: THE ART OF ZOOTOPIA

トムス・エンタテイメントの制作工程からアニメを学ぶ書籍『名作に学ぶアニメのつくり方』

トムス・エンタテイメントの制作過程をもとにアニメーションの作り方を学習できる書籍が『名作に学ぶアニメのつくり方』です。アニメーションの作られる過程に興味がある人にはおススメの書籍です。

トムス・エンタテイメントの制作工程から学べる書籍『名作に学ぶアニメのつくり方』

書籍『名作に学ぶアニメのつくり方』はトムス・エンタテイメントの制作工程を元にアニメーションの作り方を学ぶことができます。トムス・エンタテイメントは歴史あるアニメーション・スタジオなので、セル画を使用していた時代からデジタルを使用している現代までのアニメーションの作り方が学べます。ただしこの書籍はアニメーション制作の概論的な役割を持った書籍なので、技術的な解説をした書籍ではありません。

名作に学ぶアニメのつくり方 (玄光社MOOK)

制作過程で作られたさまざまな画像を掲載

解説と共に掲載されているのがトムス・エンタテイメントが制作した作品です。イメージボード、美術ボード、絵コンテ、レイアウト、原画、動画など、さまざまな画像が掲載されているので各工程でとのような作業が行われているのか視覚的に理解できます。また鉛筆と水彩画で描かれた『名探偵ホームズ』のイメージーボードや『ルパン三世』の絵コンテやレイアウトなどはすばらしいので、まるで画集を見ているように楽しめます。

掲載されているアニメ

  • 天才バカボン
  • ルパン三世
  • ど根性ガエル
  • パンダコパンダ
  • 侍ジャイアンツ
  • はじめ人間ギャートルズ
  • ガンバの冒険
  • 家なき子
  • 宝島
  • あしたのジョー
  • 六神合体ゴッドマーズ
  • スペースコブラ
  • 名探偵ホームズ
  • それいけ!アンパンマン
  • 名探偵コナン

アニメ用語一覧

各章の最後にアニメ用語一覧が掲載されています。アニメーション制作における用語を集めた一覧なので、これからアニメーターを目指したいと考えている人や趣味でアニメーションを制作している人に役立つと思います。ちょっと残念なのが各章の最後に2ページづつ掲載されているので、せっかくの一覧がバラバラに掲載されています。巻末あたりにすべてのアニメ用語をまとめてくれた方が辞書のように検索できたので便利だったと思います。

トムスの匠を紹介<したコラムとインタビュー

コラムにはトムスの匠を紹介しています。またインタビューのコーナーも掲載されているので匠たちが強い信念を持ってアニメーションを制作していたことがうかがえます。

コラム:トムスの匠

  1. 出崎統さん
  2. 長浜忠夫さん
  3. 今沢哲夫さん
  4. 芝山努さん
  5. 大塚康生さん
  6. 椛島義夫さん
  7. 荒木伸吾さん

インタビュー

  1. こだま兼嗣さん
  2. 杉野照夫さん
  3. 友永和秀さん
  4. 小林七郎さん

トムス・エンタテイメントの制作した作品リスト

巻末にはトムス・エンタテイメントの制作した作品リストが掲載されています。1964年から2014年7月までに公開されたアニメーション全291本が勢ぞろいしています。子供の頃に見ていたさまざまなアニメーションを思い出しながら作品リストに目を通すとトムス・エンタテイメントのすごさを再確認できます。